2012年2月12日日曜日


(エッチングによる名入れ)

知り合いがイタリアンバールを開店するそうで
お店用のあれこれを頼まれる。
そのうちの一つに箸置きがあったのだがちょうど
やってみたかった「エッチングによる金属への名入れ」
が出来そうだったのでやってみた。
意外に簡単にできるし投資も少ないので
みんなもやってみるといいよ。

という事でレビュー!



用意するもの
・加工材:今回はステンレス12×10フラットバーをチョイス
・版下:インレタというやつでマスキングした
・マスキングテープ
・電池:今回は5V
・塩化第二鉄液
・石灰
・紙コップ
・ゴム手袋

エッチングとは、金属を腐食液で溶かして形を浮き上がらせる技法。
腐食液を塗るときに任意の図形、文字などをマスキングする事で
マスキングしていないところを溶かし形を浮き上がらせるわけです。
今回は数が多かったのでインレタというやつを注文してマスクしたけど
カッティングシート、マスキングテープを自分でカットしてもいいと思います。
コピーを転写したりする人もいるみたいだけど今回はパス。


なんで今回やってみたのかという第一の理由が
エッチングってすごい時間かかるイメージがあったけど
どうやらちょっと電気を流すだけで数分で出来るらしい
という事を確かめたかったため。

今回は5Vの電池ボックスをタミヤコントローラにつないで作った
正逆電源に6Bの鉛筆をつないで電極化。
腐食液に付けるとすぐさびるのとちょっと抵抗を与えた方が
具合がいいらしい、多分...。




インレタを張り込み


マスキング。

この材料、ワニグチクリップがかめなかったのでバイスに挟んで
ワニグチをバイスにかませる。何となく溶接のアースっぽい。
二鉄をインレタの上にのせていく。
割り箸でやってるけどあればスポイトがベターだ。
結構さらさらした液なので表面張力で加工面にまんべんなくのせる。


いよいよ電気をながす。
この電圧だと加工面に電極がふれるとショートして
インレタに傷がつくので腐食液のみ電極がふれるようにする。
時間は材料、電圧によって変わってくるので試してください。
今回は左から右へ移動しつつ10秒×3くらい。


色変わってきた。
加工面の色がまんべんなく変わったら全て腐食した
という事みたい。色が違ったりする部分があると
そこは電気が流れてないのかなんなのか腐食していない
事が多い。はがしてみるとキレイに歯抜けている、
なんて事が結構あった。注意深く色の変化を観察する
必要がある。



終わったら洗浄。
右が水道水、左が石灰水。
水道水でざばっと洗って石灰水にどぼんとつける。
塩化第二鉄液ってのは酸性なのでアルカリ性の石灰水で
中和するらしい。
途中から二鉄を紙コップに捨ててから水道水、石灰水
という事にしたけどこっちの方が水が濁らなくてよいです。



マスキングはがすとこんな感じ。
ちょっと漏れたりしてるけどそこはあとで磨く。
インレタは緑の養生テープではがしてパーツクリーナーで
洗浄した。



スポンジヤスリで磨くとこんな感じ。
結構高い解像度で出来るのがびっくりする..。
無理矢理理由付けてやってみたけどもっと早く試してりゃ良かった。
これは簡単に出来てクオリティが高い作品ができあがる技法だと思う。
今回は軽いマーキングにしたけど電気をながす時間で結構な彫り込みも可能みたい。
それとアルミ以外の金属ならいけるらしい。

あと注意すべきは電流の管理と廃液の処理。
今回単三電池で行ったけど二個目の加工から色が変わるまでの
時間が増えた。3,9,12,24Vと試してみたけど一番重要なのは
どうやら電流で結局インパクト用バッテリー12V3Ahを使用。
ただ電圧あがると煙でたりショートしたりで怖いので
おそらく単一電池とか容量の多い低電圧がベストではないかと思う。

廃液は水道に流したらおこられるので注意。
石灰を投入して中和したあとウエスにしみ込ませて
燃えるゴミに出したけどこの辺地域条例を要確認という事で。


(石灰投入。シュワーっとなるので注意!!)




0 件のコメント: